ペットを飼っている方は、終活の際にそのことについても考えておく必要があります。大切な家族のことを考えるのは、当然のことですよね。
しかし、血縁関係がある訳ではないので、してあげられることにも限界があるのでは?と不安になる飼い主さんもいらっしゃることと思います。
今回は、大切なペットのために遺産を残す方法を中心にまとめてみましたので、ペットを飼っている方は必見です!
飼い主の高齢化!終活でペットはどうすればいい?

飼い主もペットも元気でいるうちは何の問題もないのですが、飼い主が高齢化していくことによって事態も一変します。終活を始められている場合は、尚更ペットのことを考えなければなりません。
高齢になってくると、ペットのお世話が負担になってきます。最悪のケースは、飼い主が先に死を迎えてペットが取り残されてしまうということです。こうならないためにも、元気なうちに手を打っておく必要があります。
ペットホテルなどもありますが、長期的に利用できるものでもありません。宿泊が長くなればなるほど、費用も高額になってしまいます。
ペットを託せる知人や友人、親戚などがいればまだ良いのですが、誰にでもそういった存在がいるとも限らないですよね。
飼い主として、ペットにしてあげられることを終活の際に考えておくことが重要です。
ペットにしてあげられることを考えておく

自分自身が急に入院をしなければならなくなった時、自宅にいながらもお世話が難しくなってしまった時などのことも想定して、万が一の際の預け先について考えておきましょう。
親戚や家族、友人、知人などに頼れる人がいる場合は、事情を話して打ち合わせをしておくとスムーズです。
最近では、ペットと一緒に入居できる老人ホームや老犬・老描ホームなども増えてきています。
頼れる人がいない場合は、こういった施設も検討してみてはいかがでしょうか?
ペットに遺産を残す方法としては遺言書が挙げられます。ペットには相続人としての権利はありませんが、生前に遺言書を書き残しておくことによって遺産を間接的に相続させることができるんです。
紀州のドンファンこと資産家の野崎氏が愛犬を溺愛していたのは有名な話ですよね。生前、野崎氏は愛犬のイブちゃんを非常に可愛がっており、自身の莫大な遺産に関しても愛犬に残したいと言っていたそうです。
結局のところは、野崎氏よりもイブちゃんの方が先に亡くなったのですが、愛犬に遺産を残すというのは、きちんとした手続きを踏めば不可能ではありません。
ペットに遺産を残す方法
遺産を残すということは、自分でそれを見届けることができない分、不安も大きいものです。だからこそ、終活でペットのことについて考えておくことが重要になってきます。
ペットに確実に遺産を残すことができる方法をご紹介していきます。
負担付遺贈
これは、ペットのエサ代や病院代など、ペットにかかる費用を今後お世話をしてくれる人に遺産として残すことができる方法になります。
お世話を受けてくれる人に遺産を残すという形にはなるのですが、間接的に自分のペットに相続ができることになります。
お世話をしてくれる人がペットの最期を見届けることができるとも限らないですよね。それが心配な場合は、第二順位の人を指定しておくこともできますが、その相手の方がペットのお世話と共に遺産を受け継いでくれるとも限りません。
当然のことながら、全てを放棄する権利もあります。第二順位、第三順位と指定しておくと安心でしょう。
遺言がきちんと果たされているのかを監視するための遺言執行者も指定しておくと更に安心です。飼い主が亡くなった後も、ペットのお世話がきちんとされているのかを定期的に監視することによって、ペットの飼育の環境を整えることができます。
負担付死因贈与
負担付死因贈与もまた、ペットのお世話をお願いするのに有効な方法です。口約束だけではそれがきちんと果たされるのか分からないので、生前のうちに契約をしておくのが確実。
ペットのお世話を条件として、遺産の全額もしくは一部を相続してもらうという内容になってきます。
トラブルを避け、より確実なものにするのであれば、公正証書を作成しておくことをおすすめします。
死因贈与執行者を指定しておけば、ペットのお世話という義務が果たされなかった際にペットのお世話をするよう請求したり、贈与自体を撤回するなどの対処もできます。
ペット信託
最近注目を集めているのが、こちらのペット信託です。
万が一に備えて、事前に財産を管理してもらう別の人を立てておくことが必要になってきますが、新しい飼い主に飼育に必要な費用が渡される仕組みになっているので、ペットを巻き添えにする心配がありません。
飼育費はきちんと管理されますし、信託管理人がその後の生活を見届けるので、安心して任せることができます。
身内の中だけではトラブルも多々起こるケースも少なくないので、こういったシステムも選択肢として考えてみましょう。
遺産相続の条件に『ペットの世話』を入れる

遺産が残るのであれば、それを相続する相手に対して、ペットの世話を条件としておくこともできます。
ペットに直接相続ができないので、こういった方法が有効です。
今後かかる費用なども見据えた遺産が残せると、安心ですよね。
終活でペットに遺産を残す方法まとめ
ペットという家族がいる場合は、何よりも先にペットのことを考えるべきです。
本来であれば、ペットの最期を見届けるところまで責任がありますが、高齢になるとそれを果たすことができないケースもあります。
だからこそ、ペットが露頭に迷うことのないよう、できる限りの準備をしておくようにしましょう。