最近耳にする機会も増えてきている「生前葬」。決まり事やマナーなどがあるのか、よく分からないことも多いですよね。
そもそも生前葬を行なっておくメリットは一体何なのでしょうか?
葬儀にかかる費用や香典などに関しても詳しく解説していきますので、生前葬をお考えの方はぜひご一読ください。
生前葬とは

お葬式というのは、一般的には亡くなってから執り行われるものですよね。生前葬は、まだ本人が健在であるうちに執り行われるお葬式のこと。
家族や知人、友人を招いて、感謝の気持ちを直接伝えることができます。
まだ本人が生きているのに、少し不思議な感じもしますが、生前葬には様々なメリットがあります。
生前葬の3つのメリット
お葬式は亡くなってからで良いのではないかと考える方も多いことと思います。
しかし、生前葬のメリットを見てみるとこれもまた一つの選択だと思えるのではないでしょうか。
代表的な3つのメリットは以下の通りです。
1.自分の好きなように葬儀が行える
亡くなった後のお葬式だと、遺された家族が葬儀屋やその他の細かいことも全て決める必要がありますよね。
しかし、生前葬は本人が生きている状態なので、自分のやりたいように葬儀を行なうことができます。
これといった決まりはないので、納得のいくやり方で葬儀ができるので悔いは残らないはずです。
2.お世話になった人へ事前に挨拶ができる
当然のことながら、一般的なお葬式の場合はお世話になった方への挨拶を自分でできるはずもありませんよね。生前葬であれば死を迎える前に自分で挨拶ができます。
感謝の気持ちをきちんと自分の口で伝えることができるので、これは大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
3.葬儀費用を安く済ませることができる
これといったこだわりがなければ、生前葬は費用が安く済みます。
お葬式には多額の費用がかかるので、少しでも安く済むのであれば良いことですよね。
生前葬の4つのデメリット
魅力的な生前葬ですが、デメリットもあります。
メリットとデメリットを正しく理解した上で、執り行なうのかどうかを検討してみましょう。
代表的な4つのデメリットについてまとめてみました。
1.まだ一般的ではないこと
生前葬という言葉は浸透しつつありますが、実際に身の回りで執り行なっている方もあまりいないですよね。
本人が生きているのにお葬式をするということ自体に抵抗を感じる方は多く、まだまだ一般的ではないという問題があります。
2.無宗教式で葬儀をあげると菩提寺で埋葬してもらえない
信仰している宗派があれば話がスムーズにまとまることも多いのですが、無宗教式で生前葬を執り行なってしまうと、いざ死を迎えた時の埋葬は、菩提寺では対応してもらうことができません。
それが、後々親族に迷惑をかけてしまうことになりかねないので、よく考えてから決めるようにしましょう。
3.戒名を得られない
戒名は亡くなった後に付けてもらうものなので、生前葬では対応してもらうことができません。
お寺によっては受け付けてくれる場合もありますが、信頼できるところを探すのもなかなか困難です。
4.親族の理解を得るのがむずかしい
いくら本人が生前葬を執り行いたいと思っても、親族の理解が得られなければ強行することはできません。
また、実際に亡くなった訳ではないので生前葬では火葬などは行ないませんが、本当に亡くなった際には火葬や納骨などは必ず行なう必要があります。
親族の負担が減るのかどうかというところにも疑問が残ってしまいます。
生前葬のやり方

生前葬は、無宗教の形式をとることが多いようです。親族や友人、日頃からお世話になっている方々を招いて行なわれます。
生前葬をやるには、前もって葬儀社に確認をすること。受け付けていないところのほうが多いんです。そういった場合は、カラオケルームやパーティー会場で行なうのもOK。
自分でルールを決められるのもメリットの一つですね。
生前葬の流れは以下の通りです。
生前葬の流れ
- 挨拶
- 自分史上映
- 来賓挨拶
- 演奏
- 友人スピーチ
- 歓談・会食
- 閉会
生前葬をスタートするにあたって、開式の挨拶をします。司会は葬儀屋の方が務めることがほとんど。また主催者である自分自身も挨拶をします。
これまで生きてきた歩みを、参列者の方と一緒に振り返るために、DVDを上映します。
参列していただいた方にも挨拶の言葉をいただき、主催者に縁のある音楽の生演奏やオーケストラなど、大々的な演奏が行われます。
親しい友人に事前にお願いをしておき、スピーチをしてもらいます。その後、参列していただいた方に、直接お礼の言葉を伝えることができます。食事をしながらの歓談になります。
閉会にあたって挨拶をし、参列者一人一人に対して主催者がお見送りをします。
生前葬のおすすめは小さなお葬式

生前葬を行なうためには、葬儀屋のサポートが必要ですよね。おすすめなのは、「小さなお葬式」という葬儀屋です。
プランの内容が細かく分かれているので、自分に合ったものを選びやすいというのが特徴です。かかってくる費用が明朗なので金銭トラブルに見舞われる心配もありません。
知識があまりなくても、スタッフの方が丁寧にサポートしてくれるので安心ですよ。
生前葬にかかる費用
生前葬には形式の決まりがないので、主催者の意向によって費用にもバラつきが出ます。今回は参考の目安として、10名規模の生前葬を行なった場合の費用をご紹介します。
合計金額としては、大体30万円強くらいになります。
生前葬を行なう案内状の印刷費、郵送費、会場使用料、スタッフの人件費、飲食代、余興にかかる費用、自分史作成費、贈答品代がかかります。
生前葬の香典について

生前葬は、香典というよりは「御花料」というような呼び方をする方が自然です。基本的には会費制なので、相場は1万円ほどになります。
財産に関しては、節税のために生前贈与をするケースもありますが、相続税よりも贈与税の方が高くつくこともあるので、財産分与をお考えであれば、非課税枠内である年間110万円以内の枠での調整をおすすめします。
生前葬をあげた芸能人・有名人
- アントニオ猪木
- 水の江瀧子
- 池田貴族
- 仰木彬
- 小椋佳
- 喰始
- ビートたけし
- 桑田佳祐
- テリー伊藤
- SMAP
- 仲村みう
- カンニング竹山
- AKIRA(プロレスラー)
- 大橋巨泉
- 永六輔など
あまり一般的にはなっていない生前葬ですが、多くの有名人、芸能人が執り行なっている実績があるんです。
実際の葬儀と同じような雰囲気や、ほとんどパーティーのような感覚で飲んで食べて騒ぐようなケースもあります。
これらのスタイルに関しては、全て主催者次第ということになってきます。
有名人達の生前葬は明るい雰囲気の中で行なわれていることがほとんどで、お葬式の悲しいイメージやマイナスなイメージを払拭してくれているとも言えます。
生前葬についてまとめ

まだ生きているのにお葬式をすることに不思議な感覚を覚える方も多いことと思います。しかし、自分のことだからこそ生きているうちに自分で仕切りたいというのも分からなくはないですよね。
まだまだ一般的ではありませんが、終活の一環として考えてみてはいかがでしょうか?
